遺産相続は法律問題であるとともに感情問題でもある

遺産相続というと民法の相続分や遺言書に関する規定を思い浮かべたり、相続税の計算や節税をイメージする人が多いかもしれません。つまり、相続を高度な法律的事業と捉えて考えるのが一般的ということです。しかし、遺産相続は同時に感情の問題でもあります。遺産相続が発生する原因は、被相続人の死亡ですが、被相続人の死は残された遺族に悲しみの感情を生じさせるでしょう。

また、被相続人が残した財産を分割する段階になれば、権利があればその分だけはしっかりもらいたい、なんで自分の分はこんなに少ないのだろう、といった欲の感情も生まれてくるかもしれません。もちろん、遺言書があればその通りに分割する、遺言書がなければ法定相続分をベースに相続人が話し合って分割割合を決めるというように法律に基づいて粛々と遺産の分割を進めることも大切です。しかし、相続人は一人一人考えや価値観も違う人間ですから、どうしても感情が入ることになり、誰か一人でも不満があればもめてしまうということに繋がる可能性があるのです。相続が発生した時に争いが起こらないようにするには、すべて法律という建前だけで権利を主張して押し切るという態度ではなく、感情面に配慮した対応をお互いにしていくことでスムーズに遺産相続を進めることができるのではないでしょうか。

高齢世代の比率が高まっていく中で、相続件数は増加していくことは確実です。法律と感情の両面で対処をしていく必要性を知っておくことは今後の役に立つでしょう。

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